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技師の卵が幻想郷入り

ここでは東方projectの二次創作のうち『幻想入りシリーズ』と呼ばれるジャンルのの小説を公開をしています。 初めての方は『前書き』に目を通していただけるようお願いします。 何かございましたらbloodykey@hotmail.com(@は全角なので半角に直して使ってください)まで御一報をお願いします。 批評や誤字脱字のご指摘、知ったかぶりに関する的確な突っ込みを随時募集中しております。更新が滞って参りましたらこちらの方に目をお通しいただくもれなく管理人の現状がわかります。(mixiです。)http://mixi.jp/show_friend.pl?id=10875897

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第四話:狐の目にも涙

大変お待たせな4話上がりました~。

またぐだぐだな長さです。

それではどうそ。





6/10 一部改定しました。

▽本編へ

第四話:狐の目にも涙
 
チュンチュン
ぴちちちち――
 
 底抜けの青空の下で鳥たちが囀る声で目が覚めた。
しばらく風景に違和感を覚え数回目を瞬かせる。
天井が遠いと感じて、思い出す。

 (あ。ベッドで寝てないんだ。)

 さらに寝起きが悪い私はこの季節にすぅと目覚めるなんて稀だ。
頭のあたりに置いた携帯を手に取り、サブディスプレイを見ると
『6:15』という表示がされていた。あいにく二度寝という
器用なことはなぜかできない性質である。

 「んー起きよ。」
背を伸ばして上体だけ起こすとすぐそこに絶妙な光景が見えた。

 「おおう。」
 私の脇で客人があどけない顔でベッドのキワミ端で寝ていた。
掛け布団もずり落ち寸前だ。いい夢でも見ているのか、彼女は
不意に花がほころぶように笑った。
その顔を見たとたん陽だまりの心地がした。
だが、不意にその表情が切なさを見せた
 
 「らんしゃま、どこ?」
 
 (六日目、か。)
彼女を起こさないように着替えを済ませると洗面所に向かった。
 
 一人で勝手に落ち込んだって日常が大きな口を開けて待っている。
足掻いたって、なるようにしかならないんだろう。
 
 「おは。」
 「……よう。」
 「なんだその間は。」
「やー、深い意味はないよ。うん」
 リビングに行くとすでに兄がスーツに身を包み新聞を読んでいた。
 
「しっかし…。進歩がないわね。」
 「なんかいったか?」
 「べ・つ・に!」
彼のランチョンマットは目の前に引いてある。が、コーヒーどころか
水すら置かれていない。半ば呆れてすぐさま台所で朝食の支度を始める。
……兄の家事力は5です。このダメっ子め!(半ばやつあたり)
 
 気分を切り替えて、諸々を準備していると件のダメっ子が台所に入ってきた。
 
 「なあ、妹よ。」
 「なんだい、兄者?」
 「橙さんは?」
 「……ぐっすり。久しぶりの布団だろうからね。」
 半分だけ嘘を吐いた。
 「そうか。」
 「飲み物何にする?」
 「ミルクティー。」
 「朝から贅沢だなぁ。」
 ここでちん!とレンジの気前のいい音。
 「スープできたからもってけ、せー(ry。」
 「ん。」
食事1人分を渡す。兄はそれを受け取るとリビングに引っ込んだ。
 
 「さあってと。」
お茶に関してはちょっとしたこだわりがあるので時間をかける。
銘柄はアールグレイでいいだろう。茶葉を放りこんだティーポットを
薬缶付近におき下にはきれいな布巾を敷く。ティーポットまで手は
回らないがカップだけはせめてと電気ポットのお湯をくぐらせて温める。
 
「いただいてまーす。」「どーぞ。」
 
リビングの方から兄の声がした。
IHを全開でやるとありえなくらいの速さでお湯が沸く。
(ここからが勝負かね。)
空気が抜けきらないうち、かつ温度が下がらないように、のタイミングで
薬缶を下ろし少々高い位置で空気を含ませながらお湯を注ぐ。
 
 こぽぽぽぽ
 
 お湯が茶葉と触ったとたん香りが立ち込めた。
葉のとび加減も上々である。キッチンタイマーをかけて
ポットとカップを二つ持っていき、リビングへ。
 
椅子に座ったとたん肩から変な音がしたのでぐりぐりと回す。
 
「うー、意外と疲れが……。」
 「まあ、予想外なお客様がいたからな。」
 「そだね。場合が場合だからしゃーないけど。」
 ずずっとコンソメスープを口にしてから彼は言った。行儀が悪い。

 「ところでその橙さんだが、百合香的にはどうだ?」
 「うゐ?」
 「帰れるかってこと。俺は『東方』は名前しか知らないからさ。」
  前情報があっての推論を、ということらしい。
 
 「橙がこっちにいた日数を考えるとそろそろ、かな?」
  話を聞いたところ外界に来てからかれこれ5日ほどになると
昨日言っていた。万が一明日まで変化がなければ週を一つまわる。
きっと藍は発狂せん勢いになってゆかりんを説得にかかるだろう。
スキマの偉いヒトは冬眠期間故、おそらく3日以上たたなければ境界を
開けはしないと思う。それでも、外界の人間が多くあちらに行っている
というイレギュラーを考えて……むしろ動けない、か?結界が不安定とかも
橙は言っていたけれど……ゆかりんには関係ないか。
…今日あたりには来てほしい、半ば祈りに近かった。
 
 「そっか、なんかホッとしたようなとても残念のような。」
 「そこ強調?」
 「もちろんさぁ♪彼女がいるだけで日々の潤いになるジャマイカ。」
 「まあ、ね。」
 
 あの顔を見なきゃそんな呑気な事を言えたかもしれない。
 
ピピピピ…
 
 ここでタイマーが鳴った。まったく空気を読みすぎな家電である。
ポットから二つのカップへ紅茶を注ぎ、一つを兄に手渡した。
 
「はい」
「さんきゅ。」
 
彼が食事をとり終わり、もう一杯茶を飲んだところで
テレビに週間天気予報が映る。
 
「そろそろ時間だし、行くよ。」
「行ってらっしゃーい。」
 
兄が出勤したのを見送って、片付けを済ますし、新聞を読み
ごみ出しをしたりとばたばた動いていたがあのにゃんこは一向に
起きる気がないらしい。そろそろ朝食がブランチと言っていい
時間になってしまう。
(ううう、さすがにヒモジイ。)
 空腹感に負けて彼女を起こしに行くことにした。
 
 「……よっぽどぐっすりさんだなぁ。人の気も知れんで。」
 
 部屋に着くと彼女の寝ている位置が悪化していた。よくも
そんなところで寝てられるものだ。一瞬、力のつり合いを
本気で計算したくなった。
先ほどのあれがうそのように、これまた幸せそーに寝ているのだ。
 
「起こすのに罪悪感があるけど…ええい、ままよ。」
 
 悩んだがまず声かけるところを試みる。
 「橙、橙さん?ちぇーん。あっさだよー。おきろー。」
これくらいではまだ起きる気配はない。
 
 ぷにぷに
 
屈みこんで、橙を落とさないように軽く彼女の頬をつつく。
肩は…ダメだ。揺すったらさすがに落ちる。
 悪戦苦闘している私に、返事代わりにまたまた彼女は
予想の斜め上をいってくれた。その絶妙な重心を寝返りで
動かしたのだ。あとはニュートンのリンゴである。
 
 「おわぁっ。」
 
 ばふんっ
 
 さして重くはないが勢いに負け、押し倒されるような形で
ひっくり返った。こちらが体を起こそうにもしがみついてきて
とても起きあがれない。
「うーん、これはこれで……じゃなくて、橙?起きてくれよ~。」
私が本能と彼女と苦戦していると、私の横、高さ1.3m
あたりに変なものが現れた。こう、――、空中に一本の線。
存在ははっきりとわかるのにまるで厚みがない。
目で辿って端を見つけるとそこには大きな真っ赤なリボン。
その線の中(?)から幽かに声が聞こえる。
 
「んー、このあたりかしらね?」
「本当ですか?!」
「ちょっと待ちなさい。今開けるから。」
 
 女性らしき声二つ。あああああ、これは。
まずい。いや、いいことなんだけどタイミングがまずすぎる。
 
かぱぁ
 
線、つまるところスキマが開くと完璧に見覚えのある青いひと
 
「ちぇぇぇぇぇぇ……ん?」
 
九尾の狐、八雲藍が笑顔で反身を出し、私を見て真っ白になり固まった。
正確にいえば私の上にいる己の式を見て、だろう。
 
「「……。」」
 
 しばし間があり、そして
 
 ばったーん。
 
 先方が目から汁をふきださせ、スキマから転げ落ちていった。
……あの量の体液を涙だと気が付くに数秒かかった。
 
「藍。藍?何をしているの?あら。」
 ここまで来るともう驚くまい。幻想郷の起源にかかわるえらい方。
スキマ妖怪こと八雲紫まで出てきた。ばばあ、結婚してくれ!!
 
彼女は口に手をあててとんでもないことを言った。
 「お楽しみ中かしら?」
 「何というお約束!って、ぜぜんちがいますよぅ?!」
 「いやね。冗談よ、冗談。」
 
思わず上ずった声で突っ込んだ。
彼女はさもおかしそうに笑いながら隙間から優雅に降りてきた。
 
 「はじめまして。私、八雲紫と申しますわ。と、その様子じゃ自己紹介は余計かしら?」
 「いえ、ご丁寧にどうも。」
 「あなた、お名前は?」
 「あ、ごめんなさい。百合香です。笹塚百合香。」
 「そう、百合香さん。というの。念のため紹介しておくと、こっちが…
  藍、いい加減しっかりなさい。」
 
藍様は、床でひくひくとしている。(なんだか申し訳なくおもった。)
あ、再起動した。
 
 「先ほどはお見苦しいところを見せて申し訳なかった。紫さまの式、藍だ。」
藍様は気恥しそうに咳払いをして自己紹介をしてくれた。

「どうも。まあ、その原因はいまだに起きてくれないみた「んー?」
 やっと橙の目が覚めたようだ。もぞもぞと私の上で半身を起こす。
こそばゆいです。
 
「…おそよう、寝坊助さん。後ろを見てくれるかな?」
「うにゃ?」
 
 言われるがままにくるりと振り返った彼女はあんまりに
驚いたようでびくっ、と飛び上がって硬直。スキマが「お早う」と
手をひらひらさせている。が、何よりその隣の狐さまがきらめき
エフェクトをまき散らし、こちらに向かって突撃してきた。
なんという60.00fps
それに合わせて橙が飛び出す態勢に入った、ってまって、お願いだから!
 
 「ちぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!」
 「らんしゃまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
 
 どげしいぃぃ
 
 「あ。」
 「イ゙ェアアアア!」
 
 案の定、私は哀れロイター板となり、橙は藍様の胸へと飛び込んだ。
彼女らの周囲に花弁が散って見えるのはきっと気のせいだ。
あーおじいちゃんがきれいな川の向こうから手を振ってるぅ。
 
「大丈夫?」
 
一瞬のホワイトアウトののち、さして心配していない声で
紫様が声をかけてきた。――生で見るとこのくらいの呼び方が
しっくりきた、自然と敬わなければという気がしたのだ。
 
 「おーう、けぇーい。何とか生きています。」
 
 ゆっくり起き上がる。肋骨直撃だったのによく折れてなかったものだ。
 
式二人に目を向けると――
「うにゅぅ、らんしゃまぁ。」
  泣きながら主にすがりつく橙。
 「無事でよかったぁ。」
それをやさしく受け止める藍様。
 「ごめんなざいいい…。」
「まったく、ほんとに心配したんだぞ!」
さらに狐はひしと黒猫を抱いた。
 
 ここは感動的なシーンなはずが、なんだか滴り落ちる寸前の藍さんの
鼻出血でそれどころじゃない気がするので放置(丸投げともいう)。
 
 「あら、あなた。」
 
 獣主従を眺めていると不意に紫様から声がかかる。視線を戻すと
値踏みするような眼でまじまじこちらを見ていた。真正面から目が
合ってしまい、肌の上をいやな湿気をおびる。
 
 「…何かついてます?」
 
 視線に耐えきれず、適当に声を出す。
何を言ったか自分でもわからなかった。
 
 「気にしないで。ただ『おもしろい』と思っただけよ。」
 「はあ。」
 
 むしろそんなものいいされたら気になる…怖くてとても
追及する気が起きないけど。相手の視線から険が消えたのでよしとしよう。
 
 「ところで。」
「はい?」
「私たちにも朝食って頂けるかしら?」
 
 いきなりそれかい!と全力でこけたのもお約束。
 
 当初の予定と違いだいぶ大人数の朝sh……ブランチを作るはめに
なり大慌てで支度を始めた。そんな私を見かねてか昨日に続き
橙と、なんと
 
 「手伝うよ。」
「やったー!藍様ってお料理上なんだよ~。」
 「そっ、そうなんだ、でも、お客様にやらせるなんて…。」
 「橙が世話になった上、突然飯をよこせなんて、その、紫様が迷惑を
かけたからね。このくらいはやらせてくれないかな?」
 「まあ、そうおっしゃってくれるなら…こちらの火加減お願いします。」
 
藍さんまで(様づけなんてやめてくれ、と本狐に言われたので)
手伝ってもらった。橙の言ったように、その手先の早くて綺麗なこと
そのうえ私に適宜仕事を聞きながら橙にも気を配る様は惚れ惚れする。
 
 「すごいですね。」
 「まあ、むかーし昔からやっていたら上手くなるよ。」
 
 手先の速度は変わらいまま苦笑いで彼女は言った。
 
 「お疲れ様です。」
 
 彼女に関する『記述』を思い出し、こちらも苦笑いで労をねぎらった。
 
 現実という範疇でごく一般の学生の食卓で、なんとも不思議な
光景のブランチだなぁ、と思う。実況すると、四人掛けのテーブルに
下座に私がいてマーガリンとあんこを塗ったくったトーストを頬張り
周りをまじまじと眺め、私の隣にいる橙は焼き立て魚肉ソーセージと
格闘中……すぐに食べるのをあきらめた様でふぅふぅと冷まし始め
橙の正面にいる藍さんは自分の食事もそこそこに、橙の世話を焼いている。
 
なんだかご飯を食べるのに必死な橙が可愛いなあと眺めていたら
藍さんがさわやかな笑顔で親指を立ててきた。うっかり無言の返事を
したが無論、橙の死角での出来事である。
 
上座に座っている紫様はかなりサラダを残していて
紅茶を飲みながら兄が置いて行った○経新聞を読んでいた。
……これなんて八雲家?
 
ひと段落して食後のお茶を飲んでいると、藍さんから
改めて礼を言われた。
 
 「百合香さん、本当にありがとう!君じゃなかったら今頃どうなってたか。」
 「いやいや、そんな。」
 
藍さんが本当に橙を大事にしていると感じられ…
『出会いがしらに灰にされないでよかった』とも安堵した。
 
「私からも礼を言うわ。時期が時期だから助かったもの。」
「ほんとにありがとね、百合香。」
「いやぁ、少し驚きはしましたけど当たり前のことをしたまでで。
 何より『知って』いましたからね。」
 
面と向かって感謝され、気恥しくなってカップの中、琥珀の水面を弄ぶ。
 
 「何か礼でもしなきゃねぇ。何がいいかしら?」
 「ふえ?」
 
 紫さまからの突然の申し出に驚いたが、迷わずこう答える。
 
 「それでは今の『幻想郷』について教えていただけませんか?
なんだかとんでもないことになっていると聞いたものですから。」
 「そんなことでいいの?」
 「十分ですよ。」
 
 その後、今の幻想郷のことを紫さんに掻い摘んで話してもらった。
やはり話しぶりからすると相当数の外来人があちらに行っているようで
原因もさることながら、とどまる人や、帰っている人個々に色々らしい。
不安定な結界の状態で帰れる人もいたことに驚いた。(ただし、ちょっと大変らしい)
幻想入りする、または出るにしても目の前で面白おかしそうに話している人が
原因になっているケースも多いようで。(流石の脇巫女もそろそろ胃潰瘍にでも
なっているんじゃなかろうか。その前に藍さん倒れちゃうかね?)
 
ふと、部屋の掛け時計を一度見やり紫さんは立ち上がった。
 
 「さて、おいしいご飯も食べたことだし帰りますか。」
 「目的が若干すりかわとる!?」
 「今は幻想郷(むこう)でいつ悶着があるか分からないからね。
こんなに面白い時に家を空けるのもなかなか心苦しかったのよぉ。」
「はぁ。」
 
まさにスキマ。
 
「んー、根つめたからさすがに疲れたわね。藍、帰ったら
コレをしっかり閉めて頂戴。一足先に寝に帰るわ。」
 「はい。わかりました。」
 
 紫さんが無造作に空に手を滑らせるとジッパーのようにスキマが開いた。
 
 「ごきげんよう百合香さん。」
 「ええっと、さよなら。」
 
 紫さんの影がスキマに消えると藍さんはため息をついた。
 
「そういうわけだから、この子を連れて戻るよ。じっくり話したいところなんだが。何せね。」
「結界が不安定なんでしたっけ?そんな大変な時期じゃ、しょうがない。」
 
(短い、夢みたいなものか。)
たった一日だったのに、あんなに穏やかに過ごせたせいか、
妹のように思ってしまったせいか、とにかく橙と別れるのが無性に
悲しくなった。もちろん橙は『幻想郷』(あっちがわ)の住人だから
これでいいけれど、いいんだけど。
 ふと視線をずらすと橙がしょげーんとしていた。それを見て
うれしいなんて思っちゃいけないだろうか。ならば、お別れだから
こそ元気に帰ってほしいもんだと、全くさかしまな感情が湧いた。
 
「橙もまた迷子になったら大変ですも~んw」
「そんなことしないよぉ!」
突然からかわれ、ぷくっと橙は膨れた。
 
(うへぁ、可愛いw)
ふと藍さんと目が合い、お互いに全壊笑顔で親指を立てた。(本日二回目)
 
 
「縁があったらまた会いましょう。その時私の方からも礼もしたいから。」
「はい。そちらのことが片付いたら遊びにでも来てください。親がいない時で。」
「そうさせてもらうよ。さようなら、百合香ちゃん。」
「ばいばい、百合香。」
 「またね、橙、藍さん。」
 
 スポンっ
 
完全にスキマは閉じきり、私の身に降ってわいた『非日常』も
しごくあっさりと終わった。まるでそれを強調するように入れ違いで
旅先から親が帰ってきた。
 
 「おかえりなさい。どうだった?――そう、楽しめて何より。え?試験と課題?
 課題はばっちり~…試験の方は聞かないで頂けるとありがたいかと。
 ――いや~さすがにそれはないって!え、ああ、お土産?――きれいだね。
ありがとう。――渋滞に巻き込まれてお昼食べてないの?ごめん。作り置きの
ものもうないんだ。いや……友達が急に来たんだよ。友達が、ね。」
 
 
 
 まさか、ああなるとは。このときはかけらも思わなかった。
 
 
 
 
あとがき
 
(-_-;|壁 ヒョコ
 
どうも、お久かたぶりのこんぶまかろんです。
間隔が開いてしまって本当に申し訳ないっす。
これにて見ている側もつらく、書く側もつらかった(おい)
現実編はこれにて終いです。
間隔明けたら百合香のキャラがなんだ定まらなくなってまいりましたorz
そして橙を幼く書きすぎた気がします。うぬぬ。
 
次回はやっと幻想郷突入です。うーん長かったなぁ(汗)。
 
オフの所用で7月いっぱいまではめっちゃ遅い更新となります。
…まあ、秋になって更新速度が上がるかどうかはわかりません…。
筋書きとして点は定まっていますが線がノープランなので
みなさまのお力添えをいただきたいと思っております。
これからもよろしくお願いします。
 
(6/10)
なんだかんだ言って時間を作りましたので一気に
4を改定しました。大きな差分としてはスーパー天狐タイムです。
題目の割には藍様分が少ないと思いまして。
そしてシリアル目指して玉☆砕。
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●Thanks Comments

無題

おぉ、藍しゃまと意気投合ww

From 【サン】2008.06.04 21:22編集

Re:無題

うっかり意気投合しましたwww
この話ちょこっと改定する予定ですが基本的な流れはかえません
意気投合するところとか(ぉ

From 【こんぶまかろん】 2008.07.30 19:28

無題

橙と一緒の生活風景・・・
う、うらやましくなんかないんだからねっ!
ここからどうなるのかな・・?次回も楽しみにしてますよ~

From 【U】2008.06.09 17:37編集

コメントありがとうです。

この後ちょwおまwwwと突っ込まざるを得ない展開になる、はずです。めいびー
こんなところでなんですが新作拝見しました。コメを残そうとしたらエラーで書き込めないという
悲劇がありましたが…(涙)お互い無理をしない程度に頑張りましょう!

From 【こんぶまかろん】 2008.07.30 19:29

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