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技師の卵が幻想郷入り

ここでは東方projectの二次創作のうち『幻想入りシリーズ』と呼ばれるジャンルのの小説を公開をしています。 初めての方は『前書き』に目を通していただけるようお願いします。 何かございましたらbloodykey@hotmail.com(@は全角なので半角に直して使ってください)まで御一報をお願いします。 批評や誤字脱字のご指摘、知ったかぶりに関する的確な突っ込みを随時募集中しております。更新が滞って参りましたらこちらの方に目をお通しいただくもれなく管理人の現状がわかります。(mixiです。)http://mixi.jp/show_friend.pl?id=10875897

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第五話:伝統と実績の諸葛亮トラップ

今回で脱「看板に偽りあり」です。

生意気にも挿絵を描いて入れてみたりしています。

そのせいで少し重くなっているかも?

ではどうぞ。




▽本編へ

第五話:伝統と実績の諸葛亮トラップ

サークルの制作活動と、諸連絡のためのミーティングが終わったころは
かなり遅い時刻となっていた。それでも、掛け持ちの団体の方も細々な
用件まで済まし、やっとのことで校舎を出た。
 とたんに、すうと肌をなでた夜風の冷たさにどきりとした。
桜が薄紅から青くなり始めるころとはいえ、家の近所の河川を
ずっと辿った山裾にあるこの大学の夜はまだまだ肌寒い。
 おまけにしばらくすると夜までずうっと暑くなるので
たちが悪いところだ。

 門を見るといいタイミングでバス停にバスがするりと止まった。
今出てきた校舎と少し距離があるので体と気持ちに鞭を打ってかけ
乗りこんだ。この時間でも学内から多くの人が家路につくので座るの
はあきらめていたが、幸運なことに一番前の座席があいていたので
何とか座席に座った。
背もたれに体を預けた瞬間、もう駄目だった。鉛が鋳込まれたように
体が重くとかく疲労困憊だった。タイヤ真上の揺れに意識を持って行かれ
そのままふつりと視界が閉じた。

宵の帳がとうに降り見事に円い月が、明かりで町に影を描いていた。

  私はずいぶん遠く感じる数か月前を夢で見た。それはとても
『ありがたい』一日だった。人が抱く『幻』の領域に住まう
愛らしい客人を家に招いた日。それこそ束の間の夢だったが
私は小さなときから憧れた『異界』の一端に触れたこと。
それとやさしい『彼女』を本当の意味で『知る』ことができ
とても嬉しく、幸せな日をうつらうつらと思い返した。

 「…次は―終点×××××駅、×××××駅でございます。お降りの際は―」

 耳になじんだアナウンスに飛び起きる。
危うく家に帰り損ねるところだった。
あわてて降りた瞬間に、背中に飛びっきり大きな『予感』がして
全身が泡立った。くるりと周囲を見渡したが別に事故が起こりそうな
要因もなく気のせいらしい。ひとところに呆然としていても白い目で
見られそうなので駅へと足を向けた。
 しかし、電車に乗る折にも予感はまだ引けなかった。

あと少しで家、というところであの河川の橋の下に差し掛かった
今の時間帯ではこのあたりも安全ではないため、大きな通りの方へ
迂回して帰宅していた。
 だが、『あの日』以来私はほんの少しの期待を込めてあの場所へ
あしげく通っている。落胆と溜め息を重ねるうちに空も地も
色と香りが様変わりした。日めくりの上ではもう三月も進み、
きっと兄ですら話せば馬鹿馬鹿しいと一蹴するだろう。
 だけど、私は何かを期待してそこを歩くのだ。

 今となってはそれも只の習慣に成り果てそうではある。
だから、眼前のこれも幻覚なのではないかと疑っているわけだが……。




 「……スキマ?だけ?」

 黒猫、つまり橙と出会った場所にそいつはいた。前々から形状は
知っていたし彼女の迎えが来た際に実物を見たのだ。間違える
はずもない。
いつの間にか背筋の違和感も消えている。予感していたのは
これだったようだ。
 もしも、また幻想郷との接点ができてもだれかがこちらに来ると
ばかり思っていたが、予想外だった。

「でもなんで……あ。」

 結界の不調もさることながら、幻想郷へ外来人が行く原因は
それだけではない。むしろ、スキマが――とどのつまり、紫様自身が
外来人を神隠しするのが本来の幻想郷の姿である。
よりによってこの場所だと……。

 「誘われてる?」

 だとしたらこんなところに隙間を空けずとも、直接攫って(?)
来れば済むことだ。確か、橙がこちらに来たとき結界の不安定な箇所の
調査どうのこうのという話をしていた。となると、あけたままにせざるを
得ないのか、今調整中なのか。私が今日まで通った末にこれを見つけた
のはきっと何かまだ彼女らに縁があるということだろ。

 「うーん。気になるなぁ……いっそ飛び込むか。」

 ちょっと待てと、私のどこかがその考えを制止する。
今は学期が始まって間もなく、とうに大型連休などというものは
過ぎている。ただでさえ掛け持ちなどをしていて忙しいうえに実家
通いの身。少しでも音信不通となれば行方不明だと騒ぎになる。
世間から見て微々たるものでも、周りに迷惑はかけていられない。

 「時間も世間も許しちゃくれないよな。正真正銘の現実逃避なんて。」

 ――今しばらく幻想とは決別しよう。
そう思い、小さなスキマをそのまま跳んで跨ごうとした。

 「えいっ。」

 素直に迂回して帰ればよかったものを。後々私は後悔することになる。
孔明の罠

 どむっ

「へ?」

 額に鈍い痛みを感じたと思った瞬間。

ひゅ~

「うそぉっ?!」

 重力に従って私はスキマの中へと落ちて行った。
いったい何が起こったのかその瞬間は分からなかった
――そして私が見たものは。

「孔明の罠はねぇよぉぉぉぉぉぉ……。」

 老蛇もびっくり、宙に浮かぶステルスブロックだった。





ばさばさっ
どさぁっ
がちゃがちゃ……



「あだっ?!……っう、げほっ。」

 高さにして正味3mあるか、思いのほかすぐに地面と再会した。
背面から落ちたおかげで何とか受け身をとって転がったものの、
素人の受身である。申し訳程度に衝撃が逃げた程度で、猛烈に背中が
痛んだ。さらに落ちた衝撃でリュックの中身とその一つである工具箱から
いろいろぶちまけてしまった。

 何はともあれ下が土でよかった。寝そべったまま、首、手と
上から順にひねっていないか確かめる。
 衝撃のせいか呼吸が辛い。

「う~、いたひなぁ……まったく少女臭め……味なこと
 するじゃぁないの。」

 体を起こし背中をゆっくりとさすった。そうしてしばらくし、
痛みをこらえながらぶちまけた物資を拾い集め始めた。

 ざぁぁっと風が独特の音を立ててかけていく。
 ふと、あたりを見回すと田舎で見た墨のようなのっぺりとした闇。
 呼吸するたびに香る独特の青臭さ。
 天を見上げれば祈りのように組まれた背高の影が、
 月光という貴重な光源をすくい取っている。

 スキマを介してきているのだ。となれば十中八九。
時刻は20:00丁度。場所は迷いの竹林。
……何という死旗(フラグ)。










あとがきと書いて懺悔室と読む。

 毎度、読んでいただきありがとうございます。
 どうも、こんぶです。自分で長いHN打つのがめんどうに(をい)
短いですが五話をお届けします。あんまりな長さだったので自分で
挿絵も入れてみたりしました。
 何はともあれやっと幻想郷に無事突入しました、よ。
ここまで来るのに長すぎだろっというお叱りを受けそうだ。
反省します、はひ。結構唐突な流れなのですがしっかり理由も
ありますのでご安心(?)を。

 ちなみに孔明の罠ネタは友達から寄せてもらいました。
ありがとう、その発想はなかったよw

さて、ここで久しぶりのアンケートタイム!
今後の流れをある程度決める…かも知れないので
ぜひご協力をお願いします。

問1.百合香「まず何しよう。」
い:持ち物確認。何が起きても不思議じゃないし。
ろ:腹がへっては戦が出来ぬ!食い物確保を…え?食べてばかり?
は:汗がひどいな。人目もないし…着替えてしまおうか?

問2.百合香「今後の行動方針はどうしようか…?」
1:今から竹林抜けに挑戦する。
2:朝までやり過ごしてから里を目指す。
3:てぃんと来た!(自由枠)

選択肢によって出会うものも変わってきます。たぶん。
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●Thanks Comments

無題

ついに幻想入りですねぃ、というか孔明wwwwww
問1-い 問2-1
さぁ、死亡フラグとなるか安全となるか……次回もお待ちしております

From 【U】2008.06.25 16:57編集

Re:無題

友人のおかげでカオスな感じに幻想郷に突入することができました。
良い友達をお持ちました。ほんとにw
現実編との対比のような感じで『動き』のある展開に持っていきたいものです(;_;)

From 【こんぶまかろん】 2008.07.30 19:30

無題

待て、慌てるな…これは公明の罠だ!

問1…はを選びた(ry
いの1でw

From 【サン】2008.07.10 22:19編集

スローすぎてあくびが出そうなくらい遅れてレス!

諸葛ゆかりんの奸計でした……アンケ了解ですwご協力ありがとうございます!

From 【こんぶまかろん】 2008.07.30 19:33

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