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技師の卵が幻想郷入り

ここでは東方projectの二次創作のうち『幻想入りシリーズ』と呼ばれるジャンルのの小説を公開をしています。 初めての方は『前書き』に目を通していただけるようお願いします。 何かございましたらbloodykey@hotmail.com(@は全角なので半角に直して使ってください)まで御一報をお願いします。 批評や誤字脱字のご指摘、知ったかぶりに関する的確な突っ込みを随時募集中しております。更新が滞って参りましたらこちらの方に目をお通しいただくもれなく管理人の現状がわかります。(mixiです。)http://mixi.jp/show_friend.pl?id=10875897

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第七話:カリスマ?何それおいしいの?(by某姫)

どうも、こんぶです。
お待たせしすぎな七話をお送りします。
今回は登場人物が多いので地文が少ないです(汗)

あらすじ
竹林だー!

不貞寝だー!

朝だー!

永遠亭だー!

落とし穴だー!

えーりんだー!←今ここ



▽本編へ

第七話:カリスマ?何それおいしいの?(by某姫)


八意先生に尋ねたので、橙とあったことから昨日のスキマダイブと、
順を追ってここに来る経緯を話した。

「だいたいこんな感じです。」
私の話を聞いていた先生は少しうつむき、何か思案するような間を置いて言った。

「話を聞いているといくつか不思議なところがあるわね。」
「こういっちゃなんですが、自分でもそう思います。」

第一に何であんな場所に紫さまが隙間を空けておいていたのか。
橙が外に出てしまうような、結界が脆くなっているところに開けておくというのも
『八雲 紫』だからこそ、違和感がある。余興で神隠しを行ったとしても決して
幻想郷の根底である結界に危機が訪れるようなことはしない、筈。
そして第二に――

「なぜ(なんで)、あなた(私)は何の手だてもなしで生きていられたのかしら(でしょう)?」
異口同音に私たちは言い、そこから同時に沈黙した。

妖怪に対する抵抗手段もなく、この竹林で何にも遭遇せずに一晩過ごしたというのは
いっそ快挙だ。あまりにも何にも会わなかったので昨日は多少おかしなことを思ったが
文字通り『死活問題』ではないか。
私たちの声が途切れてしまうt。
時折さらさらと風が竹林を奏でているだけで静かになってしまった。
と、先生が先に気になる一言で切り出した。

「まあ、心当たりがないわけじゃないけどね。」
「というと?」
思わせぶりな一言に、卓からつい身を乗り出していた。

「確証があるというわけではいの。ただ、最近のスキマ妖怪が連れてきた人間には何かしら『こちら側的な』能力が備わっていたり、発現の兆候があったりするの。」
少なくとも私が知っている限りよ?と彼女は注釈を付けてそう言った。

「…私にその手の可能性がある、と?」
「昨晩のことも考慮に入れると可能性は高いわね。」
「そーなのかー。」
我がことながら実感がわかない。手掛かりが少なすぎるうえ、あくまでも彼女が
知っている例だ。自分が当てはまるとも限らない、ついため息が漏れた。ちらりと
庭があろう方を見ると、障子が先ほどより明かりを透かし入れていた。竹林にようやく
日が差し始めたころあいのようだ。そう思った矢先に

ぎゅるるるるる~、ぎゅう。

「あう。」
私の腹の虫が大合唱した。あまりのタイミングの良さに耳まで赤くなる。
すっと先生が立ちあがる。ちらりと顔を覗くと噴き出すのをこらえていらっしゃるようで。

「そういえば食事とれていなかったのよね。」
「すっすいません。」
ああ、穴があったら入りたい。むしろ庭を掘って勝手に埋もれたい。

「そうね、いい時間だし朝餉をご一緒にどう?。」
「…ありがとうございます。」
「いいのよ。てゐの詫びも兼ねているから。支度ができたら呼ぶわ。」
と先生が客間を出ようとした。

「そうだ、百合香さん。」
何かを思い出したように、彼女はふすまを開けたところで振り返った。

「井戸も貸してあげるから、呼ぶまでには決着付けてきてね。」
「はい…?(決着?)」
あちらの方に、と居間と井戸の場所を教え、先生は台所の方へ行ってしまった。
ここであることに思い当り、鞄をあさりポーチから手鏡を出す。

「うわー。」
その時の状況は、ご想像にお任せします。

庭に出て奥まった所を覗くと確かに井戸があった。つるべで水をくみ上げ
身づくろいをする。気が抜けたせいか眠くなったので、思いっきり顔を洗う。
程よい冷たさの水が心地よかった。一通り水でほこりを落とし、絡まった髪に
四苦八苦していると、視線を感じた。

「あ。」
家の影から私に分る姿で件の因幡てゐ嬢(嬢?)がジーっとこちらを凝視していた。

「何ぞ用ですか?」
とりあえず声をかけてみた。

「その、ごめんなさい。」
彼女の口から小さな声で謝られた。

「へ?」
「…だーから、さっきのこと!怒ってないの?」
いらっとしたような声で返される。そういえば落とし穴に落とされたっけなとぼんやり思った。

「どういたしまして……いえ、むしろ私が礼をしなきゃいけないというか。」
「へ?」
怪訝な顔をされたのでざっと説明した。

「お察しのこととは思いますが、私は外の人間です。しかも竹林で遭難しているときに
貴女にお会いして、ここに着くことができましたから、何とも。」
もちろん悔しくなかったわけはないが。

「そっそう。いやに冷静ね。貴方。」。
「わけが分からなくて呆けてるだけですよ。」
「そ。あと一つ。」
「はい?」

「ウサギは好き?」
何か含みのある問いだ――正解はこうだろう。
「愛でるなら。」
「よし!合格。」
てゐ嬢がニヤッと笑った。

「ところでご用は私にだけですか?」
「あ、忘れてた。」
彼女は持ってきた桶に水を汲んだ。

用事を済ませるとてゐさんは先に屋敷に入っていった。(結局呼称はさんづけに落ち着く。)
二件ほど『決着』をつけ、客間に戻る途中で大福君に呼び止められた。

「百合香さーん。」
「大福君。」
「朝ご飯、支度できたそうなので一緒に行きませんか?」
「うん。あ、客間に荷物置いてあるからもって行っていい?」
「はーい。」

はたして、居間の食卓には貞子この屋敷の主がいた。

「あーー、おーなーかーすいたー。」

玉兎の御姫様――蓬莱山輝夜。
この世の終わりのような声を出して食卓に頭を突っ伏していた。それにしても
まったくカリスマもへったくれもない状態である。

「「……。」」
私が大福君とともに言葉を失っていると、台所の方面から配膳をしているらしい
ウサ耳二号、鈴仙・優曇華院・イナバ嬢が盆を持って顔を出した。

「大福ご苦労様。」
私の隣の彼をねぎらい私の方にあいさつしてくれた。

「いらっしゃいませ。お師匠からお話は伺いました。」
「どうも。お邪魔させていただいております。」
「うちのてゐが迷惑をかけたようで。」

なんだか想像していたより私のような『人間』にもあたりがよい。
客相手以前より、やはり一連の『幻想入り』での影響があるのだろうか?

「…いやまあ、その話は当人同志でも片付けちゃったんで。」
そんなことを思っていたので、少々しどろもどろになりながら答える。

「そうですか、って。」
ほっとしたような鈴仙嬢はいまだにぐだっている主に気づき、声をかけた。

「姫?姫様!お客様が来ましたよ。」
「んー?」
けだるそうにぐるーっと顔がこちらに動く。学祭のお化け屋敷の人形のようだ。

「お、おはようございます。」
まあ、基本だろうと思い挨拶をすると、がばっと彼女は体を起こし咳払いを一つした。

「いらっしゃい。ご存知かと思うけど家主の蓬莱山輝夜よ。くつろいで行ってちょうだいな。」
先ほどとは打って変わり容姿の淡麗さに賢さのうかがえる笑みで歓迎してくれた。
ほんの少し説得力に欠けるが。

「歓迎、感謝いたします。」
「永琳からあらかた話は聞いたけど、詳しくは後で願いできるかしら?」
「わかりました。」
「まあ、座って頂戴。大福もそろそろ準備できるから座りなさい。」
「では、失礼します。」「わかりましたー。」
私は勧められた席に、大福君は机の末の方にちょこんと正座した。

ほどなくして(少なくとも私が知っている)永遠亭のメンバーが揃い、ざっと
自己紹介が済んだところで朝食となった。

食後、先生は鈴仙さんとてゐさん、大福君と今日の予定やらを二言三言交わすと
私たちにあいさつをして、仕事の方へ向かった。
そうなると、必然的に私は姫様と話すことになった。

「それにしても、最近のスキマ妖怪は容赦ないわね。」
「のようですね。私は、ほかの方とちょっと違ったご縁がありますからこうなったものかと。」
「式の式を助けたのですって?」
「ええ。」
「ふうん。」
湯気の立つほうじ茶を一口、それから姫は言った。

「何か意図があるのかもね…彼女もいろいろとやっているようだし。」
「…胡散臭さに足生えて歩いてるような方ですからあながちないとも言えませんね…。」
「言うわねぇ。」
ひとしきり笑い、その後姫は私に尋ねた。

「これから、どうするか考えてあるの?」
「一応。」
ちょっと驚いたように彼女は眼を見開いた。
「へえ。」
「あまり現実的じゃないんですけどね。」
「言ってくれないと分からないわよ?」
やさしく促すような彼女のセリフに私はおずおずと進言した。

「まあ、その……スキマ妖怪の式か、そのまた式の子に本人に会わせてもらって
小一時間問い詰めようかと。」

私がそう言った途端、姫は意外そうな顔をした。

「…本気?」
「いいえ、ケフィ…もとい、やっぱりだめですかね?」
「だめというよりは……どこに式たちがいるのか知っているの?」
「ええと、式の方が紫さまと一緒に住んでいて、その式の子が妖怪の山らへんに。確か。」
そう答えると姫はちょっと感心したように「ほう」とつぶやいた。

「難儀な場所ね。巫女ならまだしも、普通の人間が行くところではないわ。」
「ですかー…。」
今言った方法は現実的ではないし、そもそも私がこちらに来た原因の中には私のついやっちゃたこともある。だとしても根本の原因は紫さまにある。流石にどうこうしようというのは怖いので、文句ぐらいは言っても構わないだろう。むしろ言わせろ。
そのうえ、生活や今まで重ねてきたものが『外』にはあるのだ。いくらかかっても帰れるという確証は欲しい。

「それでも、これからの生活についてはちゃんと考えてあるんですよ。それなりに手先は器用だし、外界の技術知識も少しあるので、里にさえいければなんとかなるかと。」
「技術知識?」
「職人というか、技師になるために勉学と修行に励んでいましたから。一応。」
「どのくらい勉強をしていたの?」
「本格的に知識を詰め込み始めて3年ほどしか。細工とかは物心ついた時分からやってました。」
「そう。」

なんだか就職だか入試の面接状態になってきた。何か、彼女は気になるのだろうか。
そうして、姫は何か思いついたような顔をして言った。

「そうね……あなたしばらく家にいなさいな。」
「え?!」
思ってもいない申出に今度は私が驚いた。

「あの「無駄に広いから部屋なら空きがあるわよ?」
「いえ、そう言ったことではなく。」
「えーりんに言わなきゃね。ああ、あと因幡たちに部屋の準備をさせなきゃ。」
「あのー。」
呼びとめるもすらすらと勝手に話を進めながら姫は先生たちの仕事場の方へ行ってしまい

「おーい。」
呆然とする私がただ客間に残された。

(ありがたいっちゃ、ありがたいけど…いいのかね?)
当然のように疑問がわく。先ほどの質問の意図も不明瞭だ。

「どう動くにせよ、幻想郷(ここ)での基盤づくりはしなくちゃいけないし。」
い草がきれいに整列した畳の上に寝転ぶ。

「素直にお世話になっとくか。」
再三だが今、深く考えてもせんのないことなのだ。


こうして、私の身の振りが決まったのだった。







あとがき八雲家とその他のつぶやき
藍:これは……
橙:あれー?なんか微妙に本編がかわってますね。

はーはっはっはっは

橙:あにゃ?
藍:む?
?:第二版に、すり替えておいたのさ!(お約束のジングル

藍:なあ、作者。大丈夫か、頭。
こ:ほうぐぁっ。
橙:藍さま、このおしゃべりなお菓子食べていいですか?
こ:いひぃっ?!
藍:やめておきなさい。毒だからな。
こ:私も食べられるより、たべr…なんでもないです。

藍:しかし今回どういった経緯で本編を変えたんだ?アンケートも下げるらしいが。
こ:うん。この小説を書く上で序盤の孔明アイディアをくれた友人に大筋だけ
  目を通してもらっているんだけど、
 「エロげっぽいフラグの分岐方法だからアンケ答えづらい」って突っ込まれた
  ので…ストレートにわかりやすいとことかギャグっぽいとこをアンケとって
  サクサク進めるってことにしました。
橙:全然時間進んでないもんね。本編。
こ:うぐっ…そんなわけなのでアンケを答えるつもりだった方は申し訳ありませんが
  しばらくお話を進めてからアンケートを取りたいと思います。ご了承ください。
 
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